登場人物紹介

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狂言に登場する様々な人物。
実にたくさんの人物が狂言の舞台を彩って、中世のリアルな生活を浮かび上がらせます。
とてもここではすべてを紹介しきれませんが、主なキャラクターを紹介したいと思います。

太郎冠者

狂言と言えば太郎冠者。もっとも多くの狂言に登場する人物です。
あるときは従順で賢明、ある時は狡猾で、またあるときは失敗ばかりのおとぼけぶり。
太郎冠者の冠者とは、元服したての若者という意味ですが、
狂言では広く召使いの意味で扱われます。
太郎冠者と次郎冠者のコンビがよく知られ、ご主人様を翻弄します。

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太郎冠者を召し使うご主人様。長い袴を履いています。
袴が長い人物は一般に身分の高い者。
太郎冠者に無理難題を押し付ける一方で、
その召使いに出し抜かれる役回りも。
ここでは秘蔵の砂糖を太郎冠者と次郎冠者に食べられてしまい、
憤慨しています。

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大名

当時の侍の正装である烏帽子をつけ、素袍(すおう)を着ています。
上でご紹介した主人よりも更に身分が高くなります。
いかにも尊大ぶった振る舞いをしていますが、
狂言の大名はあまり裕福ではなく、召使いも太郎冠者一人という場合がほとんど。
身分の高さに反比例して、あまり教養が高くなく、
恥をかいてしまうことしばしばです。

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 山伏

厳しい修行をして、物の怪や悪霊を退治する神通力を身につけた修験僧。
特に医学の発達していなかった中世では、
病魔を退治してくれるということで、広く信仰を集めていました。
・・・と、このように書くと立派な山伏ですが、
狂言では、物の怪を調伏させる呪文はどこか怪しげ、
肝心の神通力がうまく効かずに失敗ばかりやらかします。

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 女

か弱く従順な大和撫子というように、中世の女性像を想像される方は多いと思いますが、
狂言の女は「わわしい女」。
わわしいとは口うるさいという意味ですが、男性上位もなんのその。
男たちをやりこめる女が多く見られます。
狂言は女を演じる際も素顔で演じますが、
美男(ビナン)という、白く長い布を頭に巻いて、女性を表現します。

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